高山村
内山信行
高山村 村長(2016-2024)
気象庁での勤務後、村議を経て2016年村長に。議員時代は「災害に強い村づくり」と「人づくり」をモットーに村政に取り組んできた。これからは「道の駅」「星の駅」、二つの駅で観光客に楽しんでもらいたいと意気込む。
「道の駅」と「星の駅」で村の観光を盛り上げたい
気象庁時代は転勤族で、地方を転々としながら家を不在にしてきた、という負い目がありました。定年を迎え、「これまでの借りを地域にお返しする」という気持ちもあって、区長、村議を務め、村長選に立候補しました。村長に手を挙げたのは、少子高齢化、人口減にどう立ち向かっていくか?を考えたことです。現在7000人ほどの人口を、なんとか8000人を目指して元気を出すことも大切だと、あえて高いハードルを打ち出しました。
村の基幹産業は農業と観光ですが、観光の面では、私自身、道の駅にはちょっとした思い入れがあります。転勤族だった時代、自分が新たに住むことになった地域で、真っ先にどこに行くかといえば、道の駅で、まずここで地域情報などを集めました。なので、高山村を理解してもらう「村の拠点」として道の駅を作れないか、と考えています。
そして、もう一つは「星の駅」です。標高1500メートルに位置する山田牧場は、星空が綺麗に見える場所とPRしています。春は遅い芽吹き、夏は冷涼な牧場風景と北アルプスを遠くに望みキャンプを楽しみ、秋の目覚める紅葉は天下一品。そして、冬はパウダースノーのスキーを楽しみ、青空に映える霧氷と樹霜は私の一番のお勧めです。せっかくならこれを活用して、「星の駅」を作り、村の自然や施設を楽しめる観光ルートを作れないだろうか、と考えています。冬は冷え込みも厳しいですので、ダイヤモンドダスト(氷の結晶)が見られるかもしれません。夜は星空を仰ぎながら、高山村産のワインを飲んでいただくのもいいですね。
今から20年以上前、山梨の甲府に転勤した時のことですが、歓迎会では一升瓶のワインが出され、それを普通のコップで飲んでいました。当時、ワインを飲む習慣があまりなかった時代です。同じ頃、甲府近くの一番古いワイナリーで、ぶどう畑を背景にワインを飲んだのですが、その時「こんなに美味しいワインがあったのか!」と大変、感激した思い出があります。ワインを飲むシチュエーションというのはとても大事なのです。
農業の面では、高山村のりんご栽培は歴史が古く100年以上の歴史があります。転機が訪れたのは、「ふじ」と「つがる」の品種が出てから。ぐっと栽培面積が増えました。商品価値を高めるため中身、外見ともに様々な工夫をしてきましたが、その一つがパッケージです。捨てるのがもったいなくなるようなデザイン性のある箱を採用して、過去には高級な桐箱や、高山村の地図や地域情報を織り込んだ箱を作って売り出しました。
ここで生まれ育った人々が、進学で一度は村を出たとしても、また戻ってきて子育てをしたいと思ってもらえる、そんな環境づくりをすると共に、そう思ってくれる人を一人でも多く育てたい、と思っています。
これからもこの高山村を「日本で最も美しい村」としてどう守るか、を考えた時、連合に加盟する以前から、住民の皆さんは自発的に道や用水の掃除を心がけ、沿道に花を植えていました。そういう意識が自然に根付いているんですよね。私自身、そうした地域住民の皆さんに守り、育てていただいている、そんな気がしています。
2017年10月取材
執筆:高橋秀子 撮影:田村寛維