飯舘村
齋藤愛子
飯舘村役場 健康福祉課 保健師
つながりの回復。
「震災前は、地区で集まって健康教室を行い、訪問に行けば畑で話を聞いたりしていました。いつも3、4人集まりお茶のみ話をし、サロンのようになっている家もありました」
震災後、当たり前にあった自宅、田畑、自然、仕事、家庭、地域のつながりをなくしてしまった喪失感。住民の多くは仕事を奪われたことで、体を動かすことが少なくなった。運動不足から生活習慣病が多くみられ、慣れない避難暮らしのストレスからこころの病気になる人も増えているようだ。
村民がバラバラに避難したため、村ではICTタブレットを各家庭に配布し、そのなかで、保健師がラジオ体操のモデルとなって運動の普及を図っている。
「それを見ながら運動をしてもらうことも目的ですが、健康教室に参加できない人たちにも『私たち保健師が皆さんの健康づくりを応援していますよ』というメッセージを伝えたかった。『いつもICTタブレットを見ているよ』と言われるととても嬉しい」
「自分で歩いて、住民の話を聞き、そして保健事業につなげる。住民の顔が分かり、住民も保健師の顔が分かる。その距離感が好きなんです。これからも一人ひとりを訪ねてお話を聞きたい。その気持ちをいつまでも大切にしていきたいです」
2014年2月取材
撮影:田村寛維