飯舘村
高橋みほり

「なごみ」副店長 (元「ほんの森いいたて」副店長)

勉強したかった。ずっと大学に行きたいと思っていた。

「あとで振り返った時にただの避難生活、日々に追われるだけの生活にはしたくなかった。その時間で何かを掴みたい、獲得したかった。今この時を、天から与えられたものと受け止めて、だから兼ねてからの思いであった大学に通おうと思ったの」
みほりさんが身を置くのは福島にある大学の行政政策学類。1987年の学部創設以来一貫して、「地方の時代」「分権化の時代」のニーズに応えることができる人材の育成を目的とする。実習やフィールドワークを重ねて「コミュニティ共生モデル」を実践的に学ぶ。行政の手が入りにくい領域に細かくアプローチする。
大学には幅広い年齢の出身地も異なる、さまざまなバックグラウンドを持った学生が集まっている。1991年に起きた阪神淡路大震災の地、兵庫から来た学生。いわき市から来ている学生は、震災時、自宅が津波で流された話をしてくれた。そんな物語を交換する。悲しみが深いほどに、人は言葉や思いを直接交わし合い、支え合いながら生きているのだということを実感する。
「飯舘村で書店員として10年の経験から、対面での直接の人との関係は勉強できた。それを次は大学で理論と実践の裏付けを重ねて深めていきたい。そう、ちゃんと勉強してね。これからの地域社会づくりに役立てたい。でもそれを活かせるようなそんな仕事あるかなぁ。あればいいですねぇ」

2014年2月取材
撮影:田村寛維