鶴居村
大石正行

鶴居村 村長

鶴居村の村長になって6年目。この村に生まれ育った大石村長の胸には、子どもの頃から慣れ親しんだ酪農景観が原風景として生き続ける。開村80年を迎えた2017年。村は新たなスタートを切った。

酪農景観の素晴らしさ。ここは日本で最もしあわせな村

鶴居村は、その名のとおり「鶴の居る村」です。絶滅の危機にあったタンチョウの保護に取組み、1952年には、国の特別天然記念物にも指定され、現在は、1000羽を超えるタンチョウが確認されています。しかし、生息数の増加により、新たな問題も起っており、農業被害や生息地である湿原の保全が今後の課題でもあります。
村の基幹産業は、年間6万トンを超える生乳生産を誇る酪農畜産です。戦後から酪農に取組み、昭和30年代から我々の先輩方が、海外での研修等を通じて技術を高め、今日の酪農発展の礎を築いてきました。
乳質コンテストでは、日本一に輝いた実績もあり、長年に亘る乳質向上やその良質乳によるチーズなど加工品製造への取組みも行い、第6回オールジャパン・ナチュラルチーズコンテストでは、最優秀賞である農林水産大臣賞も受賞しており、今後も良質な牛乳の生産と、さまざまな加工品の開発に取組んでいきます。さらに、山ぶどうを使ったワインの製造も始め、まだ販売には至っていませんが、新たな鶴居村の特産品にしていきたいと思っています。
私は、生まれも育ちも鶴居村です。子供のころは、学校までの2キロほどを歩いて通学していましたが、役場近くの高台から見下ろす市街地中心部の景色が大好きでした。また、村内には、牧草地の豊かな緑が広がり、牧歌的な景観が残る美しい村です。この美しい景色を子どもたちの未来に残していくことが大切なことと思っています。
鶴居村の人口は、昭和30年代におよそ5000人のピークを迎え、その後は、離農と若者の流出により、2500人まで減少していますが、さまざまな酪農支援策や子育て支援の実施、宅地造成などの移住定住策にも力を入れ、人口減少は一定の歯止めがかかり、現在は、横ばいを維持しております。
今後の村づくりについては、酪農を基幹産業としながら、さまざまな地域資源を生かして、観光やその他の農業にも取組んでいくことが、大切と考えています。
鶴居村が、「日本で最も美しい村」連合に加盟したのは、平成20年です。加盟前から、地域を中心とする美しい地域づくりに取組んできましたが・加盟を機に住民の意識は大きく高まったように感じております。
昨年、鶴居村は、開村80周年を迎え、新たなスタートを切りました。子どもたちの未来に今と変わらない美しい村鶴居を残せるように心も新たに村づくりを進めていきたいと思っております。
そして、今年7月5日〜7日にはここ鶴居村を舞台に、「日本で最も美しい村」連合総会・フェスティバル2018 in つるい」が開催されますので、その準備に向けて村を上げて機運が高まっているところです。

2018年1月取材
執筆:高橋秀子 撮影:田村寛維